水処理製品 モノレール式汚泥かき寄せ機
上下水道水処理施設の耐震化に貢献
モノレール式汚泥かき寄せ機
汚泥かき寄せ機とは
水道用に取水した河川の水や下水道の汚水を貯めてゴミや砂を沈降させるのが水処理施設にある沈殿池です。
沈降して溜まった汚泥を取り除く設備が汚泥かき寄せ機です。汚泥かき寄せ機は地底の汚泥を一方向にかき寄せて端にある排出溝に落とします。溝に落ちた汚泥は排出溝の端にある出口から外に送られます。汚泥かき寄せ機にはいくつかの方式がありますが、「モノレール式汚泥かき寄せ機」は、独自のシンプルな構造が可能にする多くのメリットにより納入実績を伸ばしています。
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下水用設備
沈殿池の池底に敷設したレール上にかき寄せ羽根を取り付けた車上機を載せ、リンクチェーンを介して駆動装置に接続、駆動装置の正逆回転により往復動作を行います。汚泥をかき寄せる時は羽根を垂直に、戻り時には水平にすることで汚泥の戻りを防止します。シンプルな構造で部品数も少ないため耐震性、経済性に優れ長寿命です。装置の主要部分が池底にありチェーンのカテナリー部分がないことでスロッシングと呼ばれる地震による水の揺れの影響が小さく、過去の大型地震でもほとんど故障が出ていません。車上機に搭載しているスカムかき寄せ装置は専用のかき寄せ羽根で効率よく水面のスカムを集めることができます。
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上水用設備
上水用モノレール式汚泥かき寄せ機は、下水用と同様の特長を備えつつ、従来方式に比べてコンパクトで全高が低いことにより、上水処理施設に多い傾斜板が設置されている沈殿池への導入に最適です。
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シンプルな構造
- 沈殿池の側壁に汚泥が堆積しやすいブラケット類がないため水質向上に寄与します。
- 沈殿池側壁に負担のかかる軸受けやブラケットがないため老朽化した躯体の設備更新に適しています。
- 部品点数が少ないため点検作業が効率化でき、消耗部品も少なく維持管理費が抑えられます。
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優れたかき寄せ能力
- 耐震補強などで特殊な形状の池底やハンチに対しても羽根の形状を沿わせやすいためかき残しが少なくなります。
- かき寄せ能力が高いため間欠運転が可能です。
- 部品点数が少ないため点検作業を効率化できます。
- 消耗部品が少ないため維持管理費が削減できます。
- ※下水処理場でのかき寄せ速度は一般的に、かき寄せ時、戻り時ともに初沈で約0.6m/分、終沈では約0.3m/分としています。
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耐震性の高い構造
- 従来方式に比べ、チェーンのカテナリー部分がなくスロッシングの影響がほとんどありません。
- 地震により歪みが生じやすい沈殿池側壁にブラケットがなく故障しにくい構造です。
- 走行ローラーとガイドローラーの採用によりレールからの脱落を防止します。
- 車上機が池底にあり低重心であることで地震の影響を小さくしています。
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容易な施工性
- モノレール機の設置工事は、沈殿池の池底にレールを取り付け、工場で組み立てた状態の車上機を載せ駆動用チェーンを接続するだけ、高い精度を要求する部品の取り付けがないため従来方式に比べて大幅に短い工期で設置できます。
- 側壁にブラケットが要らないため土木に高い精度を要求せず躯体への負荷も小さくなります。
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スカムかき寄せ装置
- モノレール式汚泥かき寄せ機の車上機に水面スカムのかき寄せ装置が搭載可能です。
- モノレール式汚泥かき寄せ機の作動を動力とするため専用の動力は不要です。
- スカム専用のかき寄せ羽根で池幅一杯のスカムを効率よく集めます。
- フジフロートなどのスカムスキマと連動させてスカムをスムーズに除去できます。
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多水路一駆動式
- ひとつの駆動ユニットで複数の水路のかき寄せ機を駆動する「多水路一駆動式」での設置も可能です。
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傾斜板沈澱池への設置
- 車上機の全高が低くコンパクトなので傾斜板のある沈殿池にも容易に設置できます。
- 設備更新には溶接などの作業を要さないため短い工期で行うことができます。